EGM
2008年03月13日
EGMセミナーに参加してきました
社員発の情報や社員そのものの情報を「外部では得られない自社活用に直結するメディア」としていく
EGM(Employee Generated Media)を研究しているenNetforumによるEGMセミナーに参加してきました。
数年前から先進的に社内ブログ・SNSを導入し、運営を試行錯誤しながら
「社員の利用促進→価値の体感→利用の定着→協業促進・イノベーション創発・企業文化革新」といった価値の体現に成功したそうそうたる大企業が自社導入の試行錯誤の中で見出したポイントを披露するといった内容でした。
(4社が自社事例について講演を行い、その後有識者によるパネルディスカッションという構成でした)
「EGMはこうだから素晴らしい。こんな価値が実現されるであろう」といった理想論だけでなく「各社の実例、苦労したポイントにどういった工夫をすることで乗り越えたのか、乗り越えてみて見えてきたこの先の目指すべきところ」などの生の声を聞くことができて、このテーマを追いかける身としても非常に勉強になるセミナーでした。
全体として強く感じたことは
「このテーマは単なる福利厚生などではなく、人材活用や経営判断、イノベーションが生まれやすい改善し続ける組織文化の醸成、といった企業にとっての重要な課題への取り組みである、という認識がアーリーアダプターだけのものではなく一般化してきている」ということです。
そして、それを後押しする成功事例が着実に増え続けて、様々なパターンに対応できるだけの運用ノウハウが集まってきている、という実感を覚えました。
このような実例や実ノウハウに触れる機会が増すことで、「今後確かなものになれば導入したい」と考えている企業が安心して取り組めるようになるのは素晴らしいと思いました。
以下に心に響いて書き留めたことをまとめてみます。
(主観も交じっていますので講演者の意図と外れてしまっているかもしれませんがご了承ください)
★EGMとは
・「みんなの意見は案外正しい」←EGMは群衆の叡智を導く
・EGMは人(人のつながり)と情報(集合知)で構成される
・EGMを形成するための道具が社内ブログや社内SNSである(現状)
・道具があることで個人の中に閉じ込められた経験や思考が引き出され、流通し、活用される
・ただし、本当に重要なのは道具ではなく「それを使って何をするか。どこに導くか」という運営
・運営の中でも特に初期の目的設定が重要
何を実現することをゴールとするかを決め、周知することさえしっかりやれば、後は微調整で済む
・EGMとは単なるシステムの導入ではなくサービスである。
(導入してお終いではうまくいかない。継続的に「状況把握→適切な対応」をすることで社員を導ける)
・EGMはイノベーションを起こしやすくするプラットフォーム
・EGMはBI(ビジネスインテリジェンス)的な活用に使われ、必要不可欠な経営ツールとなっていく。
★運営のポイント
・「なんとなく」導入しても「なんとなく」うまくいかない
←目的を定め、それに向かって動きやすいように導くことが大切
(ビジョンを定め、行動ガイドラインを策定して周知することで使う側も動きやすくなった)
・利用者と同じ目線で運営する
社員にとってのメリットを体感してもらうまでサポート。一度体感すれば継続的に利用される
・「ネット上のタバコ部屋」
社員の生の声や新しい発想はリラックスした環境から生まれる
・現実のどのアクションに結びつくための施策なのかを意識する
・オープン初期の雰囲気作りは重要(パイロットメンバーに意図的に理想とする使い方をしてもらう)
社員はマニュアルを見ないで他のユーザーの動きをまねすることから始める
・炎上してもほっておく(実名なのでそれほどひどいことにはならない)
経営批判も同様。むしろ様々な角度から議論されて社員の理解度が深まるのは歓迎
匿名掲示板を利用している企業でも同様。言うべきことが出ることの方が重要。
・業務で必要なことと結びつけることで意識せずに習慣化
(備品予約したついでに目に入った盛り上がっている記事を読み、価値を体感したらそれからは使い続けるように)
★社員が感じた導入後のメリット
・分らないことを質問すると誰かが答えてくれる(どこにどんな有識者がいるかわからないもの)
それぞれが60%の回答でも複数集まって問題は解決
・有識者の考えていることがわかって勉強になる
(思考プロセスを学ぶことこそが成長につながる)
・趣味のコミュニティがキッカケで見知っていたので、業務で協力をお願いしやすかった
・違う部署の社員と話すキッカケができ、いろいろな刺激をもらえるようになった
・熱い想いを持っている人がいることを知り、会社が好きになった。やる気が出た。
・いろいろな側面からの議論によって1つの物事をいろいろな角度から咀嚼できた
・他の社員の感情を感じ取れて、社内の雰囲気がわかるようになった
・経営層のビジョンがよくわかるようになった
経営計画について一般社員が議論を始め、社長もコメントで参加。キャッチボールで理解深まった
・なんとなく続いていた有意義でない慣習がなくなった
世論が集まったことで上層部が動いた
★イノベーションを起こすために
・偶発性を与えてあげるのも大事
同じテーマだけを追いかけるより意外なトピックからヒントを得ることも多い
元来イノベーションとは突拍子もない既存物の組み合わせであることが多い
記事をキーワード解析して関連する記事や人、コミュニティをお勧めする取り組みをしている企業も
一見無駄に見える会話がつなぎになって最終的に革新的なひらめきが生まれることもある
・ファシリテーターがフェーズに合わせてサポート(アイデアが出てからビジネス化されるまで)
アイデア出始め: フォーラム、メールでの参加呼びかけ
アイデアブラッシュアップ: 議論方向付け、役割分担の提案
ビジネス化: リアルなmtgを設定、ワークを割り当てる
・コミュニティリーダーの役割も重要
適切な人選と運び方(各分野のエキスパートの知を融合)
★各社の事例情報まとめ
・NEC社
グループ15万人の誰もが閲覧可能
閲覧者数17000人
投稿者数2200人
2004年9月にスタート
ユーザ参加型の運営
ボトムアップで開始し、口コミで利用が広がった
現在はトップマネジメントも参加
組織・プロジェクトでの利用が急増中
・NTTデータ社
登録数6200人
2006年4月にスタート
周知せず、口コミのみで増加
開始後2日間で1000人、4日間で2000人が参加
アクティブメンバー数(3日に1回ログイン)1700人
1日1回ログインするユーザーは1000人強
コミュニティ数800(業務系とプライベート系は半々で推移)
1日に100〜150程の投稿
・ジョンソンエンドジョンソン社
150人(営業120人+マーケティング・トレーニング30人)
120名の営業はSOHOが中心(ほとんどオフィスに来ない)
2001年12月スタート(2005年にブログなど集合知の要素を追加)
匿名掲示板などの採用がユニーク
(個人ブログ、チームブログ、コミュニティ、イベントカレンダー、エッセイ、日報などをポータルに集約)
・日立コンサルティング社
目的は人的ネットワーク形成と知識創発基盤の構築
ユーザー数4500人
開設後一ヶ月で1500人超える
ユーザー招待を期間限定にしたことで結果的に誘い込み効果があった
1日に100件の投稿、400〜500のコメント
コミュニティ数300
人気のある日記は1日300〜400以上のアクセス数
1つの日記に20件以上のコメントがつくこともある
今回のセミナーを通じて改めて、
・導入した後もお客様と共に舵取りをしていく運営コンサルティングの提供
・情報が出た後にどのように流通させて企業としての価値にまでつなげるかを意識したプランニング
・一度価値を体感すると使い続けてくれるユーザー社員に、いかに最初の体験に辿り着きやすい
システムとするか
に特化した戦略は間違っていなかったとも実感できました。
今後も真にお客様に価値を届けられるサービスを提供していこうと心新たにしました。
社内においても、同じ志を持った方の存在を知ったり、触れたりできるとめちゃくちゃモチベーション上がるし、議論できたらすごい相乗効果が生まれると思います。
こんなことが生まれる企業環境なのかどうかって、長期的にはものすごい成果の差
につながっていくのではないでしょうか。
こちらの研究会は社内ブログ・SNS導入企業の参加を募集しておりましたので、「導入したがうまくいっていない」「さらに高みを目指したい」という方は
定期的に行われている議論の場で率直に感じていることを相談されるのもよいと思います。
これだけの有識者、経験者が集う会合ですから、何かしらの答えが見つかるかもしれません。
EGM(Employee Generated Media)を研究しているenNetforumによるEGMセミナーに参加してきました。
数年前から先進的に社内ブログ・SNSを導入し、運営を試行錯誤しながら
「社員の利用促進→価値の体感→利用の定着→協業促進・イノベーション創発・企業文化革新」といった価値の体現に成功したそうそうたる大企業が自社導入の試行錯誤の中で見出したポイントを披露するといった内容でした。
(4社が自社事例について講演を行い、その後有識者によるパネルディスカッションという構成でした)
「EGMはこうだから素晴らしい。こんな価値が実現されるであろう」といった理想論だけでなく「各社の実例、苦労したポイントにどういった工夫をすることで乗り越えたのか、乗り越えてみて見えてきたこの先の目指すべきところ」などの生の声を聞くことができて、このテーマを追いかける身としても非常に勉強になるセミナーでした。
全体として強く感じたことは
「このテーマは単なる福利厚生などではなく、人材活用や経営判断、イノベーションが生まれやすい改善し続ける組織文化の醸成、といった企業にとっての重要な課題への取り組みである、という認識がアーリーアダプターだけのものではなく一般化してきている」ということです。
そして、それを後押しする成功事例が着実に増え続けて、様々なパターンに対応できるだけの運用ノウハウが集まってきている、という実感を覚えました。
このような実例や実ノウハウに触れる機会が増すことで、「今後確かなものになれば導入したい」と考えている企業が安心して取り組めるようになるのは素晴らしいと思いました。
以下に心に響いて書き留めたことをまとめてみます。
(主観も交じっていますので講演者の意図と外れてしまっているかもしれませんがご了承ください)
★EGMとは
・「みんなの意見は案外正しい」←EGMは群衆の叡智を導く
・EGMは人(人のつながり)と情報(集合知)で構成される
・EGMを形成するための道具が社内ブログや社内SNSである(現状)
・道具があることで個人の中に閉じ込められた経験や思考が引き出され、流通し、活用される
・ただし、本当に重要なのは道具ではなく「それを使って何をするか。どこに導くか」という運営
・運営の中でも特に初期の目的設定が重要
何を実現することをゴールとするかを決め、周知することさえしっかりやれば、後は微調整で済む
・EGMとは単なるシステムの導入ではなくサービスである。
(導入してお終いではうまくいかない。継続的に「状況把握→適切な対応」をすることで社員を導ける)
・EGMはイノベーションを起こしやすくするプラットフォーム
・EGMはBI(ビジネスインテリジェンス)的な活用に使われ、必要不可欠な経営ツールとなっていく。
★運営のポイント
・「なんとなく」導入しても「なんとなく」うまくいかない
←目的を定め、それに向かって動きやすいように導くことが大切
(ビジョンを定め、行動ガイドラインを策定して周知することで使う側も動きやすくなった)
・利用者と同じ目線で運営する
社員にとってのメリットを体感してもらうまでサポート。一度体感すれば継続的に利用される
・「ネット上のタバコ部屋」
社員の生の声や新しい発想はリラックスした環境から生まれる
・現実のどのアクションに結びつくための施策なのかを意識する
・オープン初期の雰囲気作りは重要(パイロットメンバーに意図的に理想とする使い方をしてもらう)
社員はマニュアルを見ないで他のユーザーの動きをまねすることから始める
・炎上してもほっておく(実名なのでそれほどひどいことにはならない)
経営批判も同様。むしろ様々な角度から議論されて社員の理解度が深まるのは歓迎
匿名掲示板を利用している企業でも同様。言うべきことが出ることの方が重要。
・業務で必要なことと結びつけることで意識せずに習慣化
(備品予約したついでに目に入った盛り上がっている記事を読み、価値を体感したらそれからは使い続けるように)
★社員が感じた導入後のメリット
・分らないことを質問すると誰かが答えてくれる(どこにどんな有識者がいるかわからないもの)
それぞれが60%の回答でも複数集まって問題は解決
・有識者の考えていることがわかって勉強になる
(思考プロセスを学ぶことこそが成長につながる)
・趣味のコミュニティがキッカケで見知っていたので、業務で協力をお願いしやすかった
・違う部署の社員と話すキッカケができ、いろいろな刺激をもらえるようになった
・熱い想いを持っている人がいることを知り、会社が好きになった。やる気が出た。
・いろいろな側面からの議論によって1つの物事をいろいろな角度から咀嚼できた
・他の社員の感情を感じ取れて、社内の雰囲気がわかるようになった
・経営層のビジョンがよくわかるようになった
経営計画について一般社員が議論を始め、社長もコメントで参加。キャッチボールで理解深まった
・なんとなく続いていた有意義でない慣習がなくなった
世論が集まったことで上層部が動いた
★イノベーションを起こすために
・偶発性を与えてあげるのも大事
同じテーマだけを追いかけるより意外なトピックからヒントを得ることも多い
元来イノベーションとは突拍子もない既存物の組み合わせであることが多い
記事をキーワード解析して関連する記事や人、コミュニティをお勧めする取り組みをしている企業も
一見無駄に見える会話がつなぎになって最終的に革新的なひらめきが生まれることもある
・ファシリテーターがフェーズに合わせてサポート(アイデアが出てからビジネス化されるまで)
アイデア出始め: フォーラム、メールでの参加呼びかけ
アイデアブラッシュアップ: 議論方向付け、役割分担の提案
ビジネス化: リアルなmtgを設定、ワークを割り当てる
・コミュニティリーダーの役割も重要
適切な人選と運び方(各分野のエキスパートの知を融合)
★各社の事例情報まとめ
・NEC社
グループ15万人の誰もが閲覧可能
閲覧者数17000人
投稿者数2200人
2004年9月にスタート
ユーザ参加型の運営
ボトムアップで開始し、口コミで利用が広がった
現在はトップマネジメントも参加
組織・プロジェクトでの利用が急増中
・NTTデータ社
登録数6200人
2006年4月にスタート
周知せず、口コミのみで増加
開始後2日間で1000人、4日間で2000人が参加
アクティブメンバー数(3日に1回ログイン)1700人
1日1回ログインするユーザーは1000人強
コミュニティ数800(業務系とプライベート系は半々で推移)
1日に100〜150程の投稿
・ジョンソンエンドジョンソン社
150人(営業120人+マーケティング・トレーニング30人)
120名の営業はSOHOが中心(ほとんどオフィスに来ない)
2001年12月スタート(2005年にブログなど集合知の要素を追加)
匿名掲示板などの採用がユニーク
(個人ブログ、チームブログ、コミュニティ、イベントカレンダー、エッセイ、日報などをポータルに集約)
・日立コンサルティング社
目的は人的ネットワーク形成と知識創発基盤の構築
ユーザー数4500人
開設後一ヶ月で1500人超える
ユーザー招待を期間限定にしたことで結果的に誘い込み効果があった
1日に100件の投稿、400〜500のコメント
コミュニティ数300
人気のある日記は1日300〜400以上のアクセス数
1つの日記に20件以上のコメントがつくこともある
今回のセミナーを通じて改めて、
・導入した後もお客様と共に舵取りをしていく運営コンサルティングの提供
・情報が出た後にどのように流通させて企業としての価値にまでつなげるかを意識したプランニング
・一度価値を体感すると使い続けてくれるユーザー社員に、いかに最初の体験に辿り着きやすい
システムとするか
に特化した戦略は間違っていなかったとも実感できました。
今後も真にお客様に価値を届けられるサービスを提供していこうと心新たにしました。
社内においても、同じ志を持った方の存在を知ったり、触れたりできるとめちゃくちゃモチベーション上がるし、議論できたらすごい相乗効果が生まれると思います。
こんなことが生まれる企業環境なのかどうかって、長期的にはものすごい成果の差
につながっていくのではないでしょうか。
こちらの研究会は社内ブログ・SNS導入企業の参加を募集しておりましたので、「導入したがうまくいっていない」「さらに高みを目指したい」という方は
定期的に行われている議論の場で率直に感じていることを相談されるのもよいと思います。
これだけの有識者、経験者が集う会合ですから、何かしらの答えが見つかるかもしれません。























